先輩乗務員の声(千葉のタクシー)
- 名前:
- 椎谷知二
- 年齢:
- 48歳(取材当時)
- 勤務先:
- 檪山交通、鎌ヶ谷
- キャリア:
- 1年
- 前職:
- タクシー乗務員
- よかったこと:
- 接客ができること
「楽しいですね。ホント、毎日が楽しくて仕方がありません」?。椎谷(しいや)知二さん(48)は、相撲界が興味を示しそうな身長1メートル70、体重100キロの大きな体を揺すって笑顔を見せた。
昨年1月、BSHグループの「(株)檪山(くぬぎやま)交通」本社営業所(千葉県鎌ヶ谷市)に入社、それから約1年余が経った。椎谷さんには、それより以前、ここに来る前に12年ほどのタクシー乗務員生活があるから、もうベテランの域にある。所長の仁平道男さんからも「あのいかつい顔や体型からは想像もできない細やかな気遣いがあったりして頼りになる存在です」と厚い信頼を寄せられている。

「人と触れ合うことが好き」な性格で最初はホテルマンを志望した。専門学校でホテルを学び、社会人のスタートは、東京・銀座の一流ホテル勤務からだった。しかし、父親の他界など“家庭の事情”があり、退職を余儀なくされる。以後、セールスマンなどさまざまな職を転々とした時期もあったが、タクシー乗務員に腰を落ち着けたのは、やはり「人との接触が楽しい。人を楽しませたい」という自分の性格に逆らえなかったのかもしれない。
椎谷さんは、未明の時間帯からのハイヤー乗務を終え、いったん帰宅。今度はタクシー乗務の仕事に移る。拠点はだいたい千葉の市川駅だ。「明け番」の日は「寝たり起きたり、ゴロゴロしてますね」となる。
だいたいこの繰り返しとなり、一日の勤務を椎谷さんは「楽ですよ。一日終われば、次は一日ゴロゴロですから」と笑い飛ばした。
とはいえ「稼げるようになるのは大変だと思いますよ」と真顔になった。もちろん駅前での待機だけではダメだ。イベント開催など人が集まる場所や鉄道の運行状態などの情報を常につかんでおく。「そういうことはやはり経験がないと分かりませんからね」と椎谷さん。また、ドライバーとしてもっとも大事な「安心・安全への取り組み」に対しては「まあ、狭い道に入ったとき、スピードを上げないこと、左右を確認すること、など基本的なことを忘れないようにしています」?。そして椎谷さんは「僕らはプロですからね。事故を起こすことは恥ずかしいことだし、また、道なども熟知していなければ・・・と思いますよ」と誇らしげに言った。